PowerMac6100用16MBオンボードメモリの製作

1999.03.27

PowerMac6100用16MBオンボードメモリを製作してみます。
6100にはオンボードメモリ(8MB)とSIMMスロットが2基あり、Appleの保証する最大メモリ容量は72MBということになっています。
しかし、このマシンのSIMMスロットには128MBのSIMMを2枚させば合計264MBで問題なく動作できる事がわかっています。
そして、詳細に調査(うそ?)したところ、オンボードメモリに使用されているアドレス空間は16MBである事が判明しました。
では一丁、作ってみよう、というものです(^-^;;;

3. 感光基板に挑戦!
さて、前回からすでに一週間経ってしまいました(^_^;;;

今回からプリント基板の作成に入ります。プリント基板と一口に言っても、大きく分けると二つのタイプがあります。
まず、プリント基板はベースとなる板の上に銅箔で配線したものなのですが、その配線パターンを作る(描く)方法が二通りあるのです。一つは手描きする方法、もう一つは感光基板です。

手描きパターンは、文字どおり手で直接パターンを銅箔上にペンや筆で描き込みますので、実験的に簡単な回路を作る場合や、ユニバーサル基板で作るのが面倒なときなんかにはとても便利です。しかし、「手描き」であるため、同じものを複数作る時や、細かいパターンが要求される時には適していません

今回のオンボードメモリ基板は、手描きするにはかなり細かいパターンがたくさんありますので、感光基板で作ってみることにしました。

しかし、実はPaddieは感光基板というものを扱うのは今回が初めてなんです。(ちょっと不安....)
でも、感光基板っていうから難しく思える訳で、実際することは「日光写真」みたいなものだ、、、と思い込むことで実行に漕ぎ着けました(笑)

作成する基板のサイズ(と価格)を考えて、ポジ感光基板(サンハヤト製、片面、紙フェノール、サイズ:1.6t/75×100、品番:10K、購入価格270円)を使用しました。
もう少し幅が広ければメモリ基板2枚分とれるのですが、まぁ、普通は一枚できればいいですし、大きさとしてはこれが一番適しています。

アルミ袋と黒ビニール袋の二重包装になっていて、かなり光に敏感なような印象がありますが、実際には大したことはありません。保存時の無用な感光を防ぐためのものでしょう(たぶん)

ちなみに、どれくらい大したことがないのかと言うと、焼き付けに要する時間(露光時間)が、Paddieの行った条件では約4時間もかかるほどでした。

(実際には4時間で露光が完了するように調整したのですが.......)

前回、基板のパターン(低解像度)を載せましたが、あのあとほんの少し変更しました。

変更点は、電源の配線を直接ロジックボードから取るようにしたのと、まん中に書いてあった文字(無駄なもの??)を基板の一番下に移動させました。

それと、電源関係のパターンを少し太くしておきました(^ ^;

新しいパターン(低解像度)は、これです。→

これをレーザープリンタでOHPフィルムに左右反転させて出力しました。

なぜ反転させたかというと、気分的なものなのかも知れませんが、感光面にパターンのプリント面が密着していた方が仕上がりがシャープになるだろうと考えたからです。
反転させずにプリントすると、どうしてもフィルムの厚み分だけ感光面から離れてしまいますし、その分、光の回り込みがあるかもしれません。

露光の際にはフィルムを感光面に密着させる必要があります。ガラスをのせるのが一番いいのですが、手許にガラスがありませんでした(T_T) さぁ、どうしよう。。。

で、目にとまったのがCDケースです。
これを使って露光しました。このサイズの基板を露光する分には、結構手頃で便利だと思います。

今回はごく普通の蛍光灯を使って露光します。なぜ専用の露光用の器具ではなく蛍光灯なのかというと、身近にいくらでもあるので、お金が掛からない!からです(笑)←でも、これってすごく重要なことですよね??

で、この基板とフィルムをセットしたCDケースを、蛍光灯から約50cmのところに放置します。露光には4時間もかかるので、文字どおり放置です(笑)

露光が終わると次は現像です。現像には現像剤を使います。
基板と同じメーカー、サンハヤトの現像剤です。

今回使ったのは、「ポジ感光基板用現像剤」DPー10(90円で購入)です。

表面に書かれていることを信用するなら、これ一袋で10Kサイズの基板なら6〜8枚現像できることになります。

一袋で現像液を200ml作ることができます。今回は現像にはチャック付きの厚手のビニール袋を使いました。サイズはだいたいA5位です。
これに現像液適量と露光済みの基板を入れ、チャックをしてゆさゆさ揺すると、あっという間に(約一分)現像完了です。

現像が完了したら、すぐに水洗いします。そうしないと、現像液が基板表面にのこり、感光剤はどんどん感光していきますのでせっかくのパターンが消えてしまうのです。

こうして、初めての感光基板は、現像までは何の不都合もなく(?)進めることができました\(^o^)/

現像まで出来上がった基板がこれです。パターンは予想していたよりもハッキリと写っていました。
感光基板って、おもしろいものですねぇ(安心モード)

感光基板をはじめて扱った割には、以外とあっさりと現像までできてしまいました。
本当に思っていたよりも簡単なので、ちょっと驚きました。いろいろ使えそうです(^o^)
次回は、とうとうエッチングです。この工程で、本当の意味での「プリント基板」が完成します。お楽しみに!!



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